うつ病OL日記

うつになった新卒OLの日記。てきとーに書くのでてきとーに読んでください。

うつ病女と映画

特に映画好きという訳でもないのだが、友人が少なく金もない人間の趣味として定番の映画鑑賞は、私にとってもまたとっかかりやすい趣味のひとつであった。

私が幼少期の頃は、まだサブスクリプションという方式のサービスはなかった記憶がある。教養というものと相容れない平々凡々な私の家では、映画といえばジブリくらいのものしか見ることがなかったのであるが、幸福なことに私はジブリ作品を気に入っていたために両親は私をレンタルビデオ屋に連れて行ってはトトロやナウシカを借りてくれたのだった。

私がアニメ映画以外の映画作品に触れたのは小学校の中学年くらいだっただろうか。ホラー好きの方にはすぐおわかりになるかと思うが、当時は「心霊現象の起こる家にカメラを仕掛けて、夜な夜な霊がさまざまな迷惑行為を施す様を収める」といったようなコンセプトのホラー映画が流行っていたのである。私はその映画を友人と見に行ったのだが、そこから私の中でホラーブームが起こり、たびたび友人を家に呼んではホラー映画上映会をした。
中でも一番お気に入りだったのが「羊たちの沈黙」だ。
初めてこれを観た時、陳腐な表現で心苦しいのだが、実に、稲妻の走るような衝撃を受けたのである。数日、興奮してよく眠れなかった。
よってハンニバルシリーズはこの頃何度も繰り返し観たのであるが、さすがに飽きて今度はかの有名な「SAW」シリーズに熱を上げ、これもまた新作が出る度にレンタルして観た。

中学を卒業する頃には、周囲に映画好きの友人がいたこともあって、ホラー映画以外の映画を観るようになった。とはいえ、心温まるドラマティックな映画にはあまり手が伸びず、もっぱら、陰気な(というと失礼かもしれないが)雰囲気の作品を選んで観ていた。この頃からダンサーインザダークのような作風が好みだった。
前述したサブスクリプションサービスがようやく頭角を現したのは、高校時代である。
当時登録していたのはたしかHuluというサービスだったのだが、その頃はまだ好みの作品があまり入っていなかったこともあり、ほとんどアニメ鑑賞に使われていた。
映画は専らTSUTAYAで借りて観ていたのだが、最寄りのTSUTAYAに見たい作品が無いことも少なくなかった。その作品を見るがためにわざわざ1時間自転車を飛ばして、家から遠い方の店舗に行くこともあった。

そうまでして観たかった作品の中で、特に思い入れがあったのが「鬼畜大宴会」だ。
知っている方なら「あ〜…あれね」とお思いかもしれない。知らない方なら、知らないほうがいいのかもしれない。そういう作品なのだ。ムカデ人間もまあ酷いものだが、あれは今となってはそれなりに市民権を得ているので、まあいいだろう。
ここで内容を書くのははばかられるので、気になる方は自己責任で検索していただきたい。しかし、ここまで言っておいてなんだが、私はこの作品が大のお気に入りなのだ。
あれはそのへんのB級映画とは一線を画している。と、私は思っている。ようやく求めていたものに出逢えた!と興奮したくらいには、私の好みドンピシャド真ん中だったのだ。

鼻息荒く語ってしまって申し訳ないが、結局言いたかったのは、金のない引きこもりうつ病女にはNetflixが最高すぎるということなのだ。
Netflixに登録さえしてしまえば、いつでもどこでも映画やアニメが見放題で、月880円で済むのである。もう外に出なくても、死にそうになりながらチャリを漕がなくても、せっかく借りたDVDのディスクが傷だらけで泣きを見ることもないのである。しかも、まあまあ新しい作品も配信される。TSUTAYAだと新作・準新作扱いのものも普通に見放題なのだからすごい。
広告も入らないしスキップ機能もあるし、早送りもできる。
ゲームや読書をする気力はないけど退屈、でも2時間の映画を最初から最後までキッチリ観る気力もない、というわがままなうつ病女の私には、これ以上ない画期的なサービスなのだ。